名古屋の桜、休眠打破の遅れは約9日
今年の名古屋における桜の休眠打破は、平年より約9日遅く、2月10日頃であった推測されます。
名古屋の桜(気象庁の標本木)は3月22日に開花しましたが、同日までの気温の推移から、桜の休眠打破日を逆算で割り出しました。
桜の花芽は、前年の夏に作られ、秋になると休眠に入ります。その後、一定期間、低温にさらされると、この休眠から目覚めます(これを休眠打破といいます)。
休眠から目覚めた桜の花芽は、気温の上昇とともに生長し、3月~5月に開花します。
名古屋の桜は、昨年秋からの気温高めの影響で、休眠打破が平年より約9日遅く、2月10日頃となりました。
その後は、気温高めの影響で花芽の生長が早く、休眠打破の遅れを取り戻し、平年より4日早い3月22日に開花しました。
*Qnewニュースの開花予想は3月23日で、休眠打破の遅れは12日と計算していました
*以下の開花計算は、桜開花後に予想値から気象庁の実測値に変更して計算したものです
【計算式:2019年の名古屋】
■計算の前提条件
・開花までに必要な積算温度は、休眠打破から約360℃(平均気温)…①。
・休眠打破に必要な低温(8℃以下)時間は、1000時間。
・積算温度計算の平年の休眠打破日を2月1日とする。
・気温が平年より1℃低いと1日当たり2時間、8℃以下の時間が増加すると計算。
逆に気温が1℃高いと、1日当たり2時間、8℃以下の時間が減少すると計算。
・1月~2月の8℃以下の時間は、1日24時間のうち21時間(平年値)ですが、今年は暖冬のため18時間…②
■2019年の休眠打破
名古屋で気温が8℃以下となるのは、11月後半以降のため、2018年11月後半以降の気温と平年値との比較。
・2018年11月後半の気温は、平年より1.4℃高くなったため、これによる休眠打破の遅れは、
15日(11月16日~30日)×1.4℃×2時間=42時間…③
・2018年12月の気温は平年より1.1℃高くなったため、これによる休眠打破の遅れは、
31日×1.1℃×2時間=68.2時間…④
・2019年1月の気温は、平年より0.6℃高くなったため、これによる休眠打破の遅れは、
31日×0.6℃×2時間=37.2時間…⑤
・休眠打破が遅くなる時間は(③+④+⑤)、
42時間+68.2時間+37.2時間=147.4時間…⑥
・休眠打破が遅くなる日数(⑥÷②)
147.4時間÷18時間=8.2日
・2019年の休眠打破は、平年より約9日遅くなり、2月10日。
*計算上は、この日から桜の花芽が生長を始める
*2月10日以降の気温を予測し、開花に必要な積算温度に到達した日が、計算上の開花日
■2月の積算温度
・2月(中・下旬)の気温は7.7℃(実測値)。
2月の積算温度は、7.7℃×19日(2月10日~28日)=146.3…⑦
■3月に必要な積算温度
・開花までに必要な積算温度(約360℃)から、2月(⑦)の積算温度を引いたもの。
360℃ー146.3℃=213.7℃…⑧
■開花に必要な日数
・必要な積算温度(⑧)を、3月の気温10.0(実測値)で割ったもの。
213.7℃÷10.0℃=21.3
・計算上の名古屋の桜開花日は、平年より4日早い、3月22日。
*名古屋の桜開花後に、開花計算を見直した(予想値から気象庁の実測値に変えた)計算式です
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