東京の桜、平年の休眠打破は2月3日
東京の桜の休眠打破日(平年値)は2月3日で、今年は冬場の気温低めの影響で平年値より1日早い、2月2日に休眠打破していたと推測されます。
桜の花芽は前年の夏に作られ、秋になると休眠に入ります。その後、一定期間、低温に受けると休眠から目覚めます(これを休眠打破といいます)。休眠から目覚めた桜の花芽は、気温の上昇とともに生長し、3月~4月に開花します。
今年の東京の桜(気象庁の標本木)は3月20日に開花しましたが、同日までの気温の推移から今年の桜の休眠打破日を逆算で割り出しました。
また、昨年5月に気象庁の平年値(過去30年の平均値)が更新され、平年の桜開花日も変わっています(3月26日→3月24日)。これを受け、平年の休眠打破日も計算し直しました。
結果、東京の桜の休眠打破日(平年値)はこれまでより1日遅い2月3日で、今年の休眠打破は冬場の気温低めの影響で平年値より1日早い、2月2日だったと推測されます。
*以下の開花予想計算式は、新たな平年値を使用し、気温を気象庁の実測値に変更したものです(正解の開花計算式です)
計算式・2022東京
▮ 計算の前提条件
開花までに必要な積算温度は、休眠打破から約360℃(平均気温)…①
休眠打破に必要な低温は、8℃以下の気温が1000時間。
東京の最低気温が、8℃以下になるのは11月21日以降(平年値)。
2月3日を積算温度計算の平年の基準日(平年の休眠打破日)とする。
気温が平年より1℃低いと1日当たり2時間、8℃以下の時間が増加。逆に気温が1℃高いと、1日当たり2時間、8℃以下の時間が減少。
1月~2月の8℃以下の時間は、1日24時間のうち21時間(平年値)…②
東京の桜標本木がある靖国神社の気温(2月と3月の気温)は、近年、東京の気象観測地点(北の丸公園)より0.3℃高い(東京の気温に0.3℃を加える)。
▮ 2022年の休眠打破
2021年11月(10日)の気温は平年より0.4℃高くなりました。これによる休眠打破の遅れは、
10日×0.4℃×2時間=8時間…③
2021年12月の気温は平年より0.2℃高くなりました。これによる休眠打破の遅れは、
31日×0.2℃×2時間=12.4時間…④
2022年1月の気温は平年より0.5℃低くなりました。これによる休眠打破の進みは、
31日×0.5℃×2時間=31.0時間…⑤
2022年2月(2日)の気温は平年より0.5℃低くなりました。これによる休眠打破の進みは、
2日×0.5℃×2時間=2時間…⑥
気温低めによる休眠打破の進み(ー③ー④+⑤+⑥)は(遅れより進みの時間が多い)、
ー8時間ー12.4時間+31.0時間+2時間=12.6時間…⑦
休眠打破が早くなる日数は(⑦÷②)、
12.6時間÷21時間=0.6日(約1日)
2022年の休眠打破は、平年より1日早い、2月2日(計算上はこの日から桜の花芽が生長を始める)。
▮ 2月の積算温度
2月の気温は平年より0.9℃低くなりました(5.2℃+0.3℃=5.5℃)。休眠打破後の2月の日数は27日(2日〜28日)。2月の積算温度は、
5.5℃×27日=148.5℃…⑧
▮ 3月に必要な積算温度
開花までに必要な積算温度(約360℃)から、2月の積算温度(⑧)を引いたもの。
360℃ー148.5℃=211.5℃…⑨
▮ 3月の開花に必要な日数
必要な積算温度(⑨)を、3月上中旬の気温11.0℃(10.7℃+0.3℃)で割ったもの。
211.5℃÷11.1℃=19.2(約20日)
計算上の東京の桜開花日は、平年より4日早い、3月20日。
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