「うん。用心深い田々和は、立石が間に合わない可能性もあると考えた」
「迎えがくる前に見付かってしまうということですね」
畠山警備補が解説した。
「取り引き時間に現れなかったら、捜索を始めます。有馬温泉の外には出ていない、どこかに隠れているはずだと」
「そこで、柿元順子に電話。迎えに来てくれと頼んだ。しかし、彼女は体調が悪く、寝込んでいた。そして、代わりにカレンを呼び出した」
「弱みを握られていたカレンは、車で有馬温泉へ向かった」
「うん。ところが、有馬温泉の駐車場で一樹と鉢会わせ。一樹はホテルを飛び出した田々和を見失い、街中を探し回っていた。そこに自分をハメたカレンがいた」
「今度はカレンが逃げ出すことになった。遭遇したのは午後7時過ぎ。一樹はそう証言している」
「そして、午後7時半頃、立石が有馬温泉に到着。田々和を殺害…」
岩田の言葉が深夜の街にさびしく響いた。
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鼓ヶ滝公園:©神戸観光局 |
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神戸の夜景:©神戸観光局 |
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