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到着したのは午前10時前。騒然としていた。警官が走り回っている。 そのとき、カメラを抱えた男が警察署の建物から飛び出してきた。新聞記者のようであった。 「何があった？」 「有馬温泉で男の死体！」 新聞記者が叫んだ。そして、車に乗り込んだ。すぐに後を追った。 行き先は紅葉谷公園。多数の警官と立ち入り禁止のロープ。その中央にブルーシートが置かれていた。 「伊吹警部！」 気付いた兵庫県警の警部が、岩田のもとにやって来た。 「立石浩一です。胸を刺されています。死後10時間程度。くわしいことはこれからです」 端的に事態を説明した。 現場を離れ、神戸北署へ戻った。くわしい状況を聞くため、伊吹警部を待った。 「うかつでした。立石浩一もマークしていたのですが…」 「自宅マンションを調べましたが、とくに怪しいところは。絵も無かったようです。ただ、走り書きが電話機の側に」 夕刻に現れた警部がそう伝えた。そして、手帳の一部を破り、岩田に渡した。 紙片には『カラス飛ぶ 三ツ雲の空 ああうれし』と。 |
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| 有馬温泉・ロープウェイ |
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| 神戸の夜景：©神戸観光局 |
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| 神戸の夜景：©神戸観光局 |